2014年10月

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10月28日(火):浜松市にある浜松文化芸術大学の校舎屋上が散策用の芝地になっている。そこでは空が電線に遮られることなくオープンな空間で開放感を十分に楽しめる。学生が行き来する校舎を抜けて、学食で何か食べようと思ったが、ランチタイムが14時までと聞き、飲み物とおにぎりを一つ買って、屋上への登り口を探す。近くを通りかかった学生に聞くと、エレベーターを使って”空中庭園”へ行けるという。2棟ある建物両方ともに屋上庭園があるといっていた。数少ないエレベーターを在校生が使用するので上り行きを随分待っていたような気がする。
屋上はそんな広くはなかった。遠近感に錯覚が生じるようにデザインがなされている。なだらかな起伏をもったスロープが直線で引かれている。そこを端まで歩くことができる。数人の学生がくつろいでいた。ギターを手に談笑するもの。裸になって高みに登り脱いだシャツを天にかざすもの。冷たい風が出て来たのでもう少しゆっくりして行きたかったがそこを後にする。

10月25日(土):愛知県の蒲郡にある魚市場に行って来た。テーマパークのラグナ蒲郡のすぐ横だ。夏にそのラグナシアへ行った時に立ち寄り、海産物が豊富で安く、提供されていた丼モノが美味しそうだったのと、前回は断食中だったので美味しそうに振る舞われていた試食品すら味わえなかったのを残念に思い、秋の到来を期に再びやって来た。写真はサメの干物と観覧車。3枚目はその観覧車からの眺望。

10月22日(水):小雨の降る中市内にある研究施設へ子どもを連れて行った。県水産研究所に併設されている浜名湖体験学習施設「ウォット」という場所。主に浜名湖に生息する海水・淡水生物の研究と資源(産業)開発を行うアグレッシブな場所。ちなみにここ地元の産業には牡蠣の養殖、海苔やアサリ等が有名。
広大な駐車場に一台だけ閑散と(ポツンと)車を止め、料金の410円を支払っていざ、施設内へ。ここでもまた大人一人310円支払う。子ども(高校生以下)は無料。イベントも特にない平日に来たせいか館内も駐車場同様に閑散としてスタッフ以外は誰もいない。子どもは何かを見つけて走り出し、妻がそれを追いかけ先へ行ってしまう。砂場を見つけた模様。子どもは目敏(めざと)い。しかし、その設置された砂場は「あれダメ、これダメ」の張り紙がいっぱい。北欧だかどこかの外国製の手に付かない今話題の砂を使用している。濡れた手で触っちゃダメ。砂場の中へ入ってはダメ。砂を小さな枠(シートに乗っかったゴム製のプール)の外へ出してはダメ・・・ 
「中に入らないでどうやって遊ぶの?」
子どもはそれでも自由に遊ぼうとするが、結局遊ぼうとする子どもの行動すべてを制して監視しなくてはならなかった。こどもはすぐにつまらなくなってまたその先へ走り出し妻がそれを追う。最初の入館時に壁にかかった魚拓ならぬ魚の抜き型に目が止まり写真を撮りたかったのにこれでは忙しない。それでもやっとパチパチとそのレリーフを映していると速攻で妻が子どもを抱えて戻って来た。
「何もない」
「えっ?あるでしょ。奥に水槽、魚がいっぱい・・・ 2階もあるし・・・」
子どもが妻の腕の中でジタバタ暴れ出し、好きにさせてやると子どもはまたどこかへ走り出した。2階へ向かった模様。
大きな水槽で泳ぐ魚群を見ていると妻が子どもを抱えて戻って来た。
「やっぱり何もないよ」
妻にとって生物はあまり興味の湧く対象ではないのは分かっている。小型のほ乳類等は特に好きではないし・・・
写真撮影は止めて子どもの後は私が従うことにした。子どもの後ろを追いかけて、こどもは外へ行きたがった。そのまま館外へ出てしたったので抱えて連れ戻す。
「ゴー、ゴー」と外を指差して行きたがっている。帰りたがっているというべきか?
「◯◯くん、ここがあんまり好きじゃないよ」
妻が言ったがその通りだと思った。

取りあえず1Fで待っててもらって一通り館内を巡ってからすぐに妻と子どもがいる場所に戻ってきた。
その間、水槽内で餌やりの時間が来たのと(この頃には数家族が来館している)、水槽の前でスタッフによる子ども向けの講習が始まっていたので、一組の母親と女の子、そのおじいちゃん・おばあちゃんの組と一緒に妻と子どももそれに参加していた。
貝合わせ。箱の中から貝殻の柄が同じものを探すゲームで、アサリの貝殻の柄がみんな違うが中には同じような模様のものもあって、それは同じ家族に属するものだという。

自分がその場に来た時には、就学前の4歳ぐらいの女の子とウチの子どもがスタッフの話を聞きながら水槽の前に座っていた。自分もそのゲームに参加してこどもに貝殻を見せ手渡してやる。こどもも貝殻を真剣にいじり始め、貝殻が入った箱の方に誘導してやった。その様子を少し後ろに下がって見ていたが、箱が少しウチの子どもからは離れていて彼がそれを自分の方にもっと引き寄せようとしたのか、手を箱へかけた瞬間、横にいた女の子がその箱を素早く自分の方へぶん取った。自分だけその箱を独占している形だ。妻も気づいて私の方を見ている。相手の母親、女の子の脇に居た祖父(祖母はその背後に)は何も言わないし表情にすら反応もない。ウチの子はその子の態度に驚いたのかその子の方をジッと見ている。まだ見ている。そのうち箱を相手に突き返すように押し戻した。それを見て私は子どもを抱えてその場を立ち去ったが、相手の子どもの反応に少し残念な気がした。

独り占めしよう、独占欲を主張するように育ててしまうより、共有しよう、一緒に相手も受け入れて遊ぼうという子どもの資質を大事であると考えるし、それは親やその家族の教育の賜物だと思う。ただ、妻と話した事は、我が子の反応も感情的で聡明ではない。純粋に素直にそう感情が反応するのは悪い事ではないかもしれないが、それでは少し直截すぎて、角を立てた場合の”制裁”もこの国の集団文化では厄介だ。言葉をもって生まれた人間らしく振る舞うことが理想だ。少なくともあの女の子へは口頭で「これはあなた一人の独占物ではないし、ここはみんなが共有して学べる場なんだから、その箱はもう少し私にも触れるようにレイアウトの変更をしていただきたい」ぐらいは言って然るべきだ。勿論言った後の最後に最高の笑顔を忘れることなく。その方がスマートだしヒューマンだね。そう妻と冗談を言い合い笑った。しかし聡明さもまた、論理的に思考するのは理屈に過ぎると制裁の対象になる。明治時代に既に夏名漱石が嘆いていたが、今の時代を経てことさらに集団社会による制裁は始末が悪いかもしれない。そういう事をいちいち気にして心配する必要はないが、この国に住み子どもを育てると決めた親なら心の一角に留め置いた方がいいことには違いない。

帰りには来館者が少ないという理由で特別にお土産をいただいた。浜名湖周辺の魚介類がマッピングされた生息分布図の下敷きである。
ありがとうございますとはまだ言えないので、親や代わりにお礼を言うと、子どもも舌足らずで「とうぉ」と言う。カウンターでイルカのペーパークラフトを買って、さあ、帰るようと声をかけたら一目散に出口に向かったのは子どもだった。

10月20日(月):この日は第7代インドネシア大統領の就任式が首都ジャカルタで行われる。日本に滞在するインドネシア人も自国の未来に期待を込めてこの式典を伝える報道を注視している。でもなぜか皆さんが口を揃えて言う事は、この大統領「カッコよくない」だそうだ。なんで?悪意など微塵もなくむしろこのコメントに私はインドネシア人のもつ親しみを覚える。

10月17日(金):法多山へ串団子を買いに行く。参道に立つお店も閉まっていて静かな平日。来客はそれでも多く散見する。子どものペースに合わせてゆっくりと散策。途中の遊具で遊んだ後にお土産の団子を買って茶屋で一服。値段が上がっていたのと餡子の量が減っていたのとその箱詰めのレイアウトに違和感。団子の箱の中身の風情が少し残念なものになっていた。

10月04日(土):新幹線の車両検査をする工場が静岡県の浜松市にある。年に一度夏のイベントで、新幹線の修理の様子等、工場見学ができ、地元の子ども達や鉄道ファンの間ではちょっとしたスポットである。現在大規模な改築工事が進められているが、工事期間は9年越しの計画、2019(平成31)年3月の終了予定である。
写真は(あまり鉄道関係は詳しくないので詳細が判別出来ないがたぶん)「ひかり号」や「こだま号」でおなじみの700系新幹線の片側ヘッド部分。工事に関するこのような大きなニュースを自分はあまり知らなかった。同市には一般の人は立ち入りができない貨物専用の”幻の駅”、「(浜松)西駅」が存在したりする・・・これは東海道沿いの中型地方都市に見る地味な魅力。

10月03日(金):一面に咲くコスモス。「コスモス」の花の名を聞くと思い出す本がある。吉岡たすく氏著作の『ちいさなサムライ』という作品。氏の半自伝的な小説で、サスケという少年が成長し教師になるまでの物語。サスケ少年と彼が出会ったセンセイを中心に話がすすみ最後は彼が初めて教壇に立つ場面で終わる。サスケ少年が出会った教師の一人にこの花の名をもつ「コスモス」先生が登場する。この名前はサスケが密かにセンセイに付けた名前。彼は母親を知らず、親族の間を転々とする幼少期を持ち、「センセイ」運にも恵まれなかったが、コスモス先生は彼が初めて信頼感や安心感をもつことができた女性教師として登場する。サスケのひた向きさと単行本の素朴なイラストがとても好きだった。